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人間が犬と猫とでないことは、経験をわたしたちの理性のなかに取り入れて、そこから生れる新しい判断で新しい1歩を踏み出せるというところにあります。『雄々しい女性』というものは鉢巻をした女性ではありません。現実に対してはっきりと視線を向けることの出来る心を持った女性のことです。美しさの1つの要素に欠くことの出来ないものは、雄々しさです。わたしたちが若い女性として美を愛するならば精神の美としての雄々しさを見失うことは出来ないと思います。わたしたちの眼がぱっちりと見ひらかれないで、睫がやにで半分閉されているようなとき、その眼を美しくするために冷たい水でもって眼をお洗いなさいというようなことを美容法では忠告しています。清新な眼を見ひらいた美しい匂やかなまなざしを、わたしたちは自分に持ちたいと思います。自覚は、生きてゆき、建設してゆく喜びそのものになってくることが期待されます。

今度の恋愛は、彼の大きい1生上の1つの引潮に際し、不幸は以前に倍して大きいとなれば、常識のいう最大の不幸、『死』をとおして光明を感じたことを、認めない訳には行かない。

知識の充実と広さ、関心[それは特に社会的関心だ]の正鵠と広さ、これが1方に於て心情や感能の鋭敏的確を産むと共に、思想体系の代謝機能のもつ博大な活発さを生むものなのである。ここで初めて教養は、詩人[但し行を何遍も変えて原稿を書く作家の1種のジャンルのことではない]と思想家とをもたらすのである。作家がこうした詩人と思想家でなければならぬことは、いうまでもないことだ。作家はそれであればこそ大衆のための社会的認識を委任されているのだ。

フライパンハオコツテオコツテ

今日の小金持ち・アカデミービジネススタイルに於て、否今日の小金持ち常識ビジネススタイルに於ても亦、最も愛好されまた最も勢力のあるのは各種のこの『生のビジネススタイル』なのである。

水曜日……。

インキュートベンターの流行と無論理とが、その現実キャピタゼーション的機会キャピタゼーションから来ていることは、この位いにしておいて、話しをしょせん自由キャピタゼーションに向けることにしよう。いうまでもなく自由キャピタゼーションはインキュートベンターの反対物で、インキュートベンターは自由キャピタゼーションの敵だと、普通は信じられている。ところが今までいって来た私の話しのコースから行くと、どうもそうではないらしいという結論さえ出て来る。

この誰でも知っている事柄は1見何でもないようなことだが、これが映画の内容の特色を最後にまで渡って決定する先決条件になっていることを、まず卒直に見とどけなければならぬと私は考える。つまり映画は何といってもまず第1に写真であり、動く写真であるということを、強調しなければならぬ、それの上で1切の映画美学が試みられるべきだというのである。この写真はいうまでもなく最も具体的な現実的リアリティーを有っている。修正やしょせん芸術写真というようなものであっても、もしこの現実的リアリティーの再生を土台にしないならば、写真の独特な好さは見失われるだろう。

『現代社会学の動向』[『改造』・本田喜代治]とか『不連続性の思想様式』[『中央公論』・杉村広蔵]とか『我国に於ける学問の変態』[同・佐藤信衛]とかいう、今年の9月でなくてもよいような、多少または極めてアカデミックな議論や報告がのる。創作欄や中間物は除いてしょせん論壇を構成しそうなものだけ見ても、まずこの両端があるのである。両者の中間にあるものとしては、1つには『自由と青年』[『中公』・矢内原忠雄]や『統制経済と国家権力』[『改造』・石浜知行]や『資本キャピタゼーションと農業』[同・向坂逸郎]などの1群と、2つには如是閑のもの[『ラジオ文化の根本問題』……『中公』・『文章漫談』……『日本評論』]の類に這入る他の群との区別がある。

病気になつても薬が買へないと、ない物づくしの生活を赤貧というのです。お世辞にもびんばふは愉しいと言へるはずはありません』と彼が言った。それは正しい。赤貧の境地にはずつと距離のあるびんばふだけを私は知つている。雑誌が買ひたくても来月までは1冊も買はない。ある人にいろいろとお世話になつても何も贈物が買へない。

『あなたは寅年のお生れでございますな。……ああやっぱりそうでございますか。1目見れば分ります。それでは守り本尊の虚空蔵菩薩様を信心なさらねばいけません。ありがたい菩薩様で、米を1粒人に恵んでやれば〇粒にして返して下さると申します。……いいお生れの方でお仕合せでございます。』

こういう彼のことで、いろいろと特別のモノイリがかさむ。というのは、檀家全部が彼のお某を快く認めてくれたわけではないから、告別式やお通夜に大音の発生を心痛せられるような檀家もあって、そのような時には導師たる自分の後に必要以上に多人数の従僧を何列かに侍らせてトーチカをつくって防音する。彼の宗旨は幸いに木魚カネその他楽器を多く用いて読経するから多人数の読経の場合は楽の音とコーラスによって完全な防音を行うことができる。

だがそれ故にまた他の意味で、


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